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金属材料基礎講座-202

充填率計算 面心立方格子

 面心立方格子の充填率を計算します。格子定数を一辺の長さaの立方体とすると単位格子の体積Vaは式(1)となります。

 

Va=a3   (1)

 

また、原子の半径をrとしたときの原子一つの体積Vrは式(2)となります。

 

Vr=4πr3/3  (2)

 

 そして、単位格子の中にある原子の数は各面に6個、単位格子の頂点に8個です。面にある原子は半分(1/2)単位格子に含まれます。頂点にある原子は単位格子に含まれるのは1/8個となります。それを踏まえて、単位格子に含まれる原子の数Nを計算すると式(3)となります。式(3)より格子定数の中には4個の原子が占めていることになります。

 

N=6(個)×1/2(割合)+8(個)×1/8(割合)=3+1=4(個)  (3)

 格子定数と原子半径の関係ですが、面心立方格子の(100)面および[110]方向に注目すると、図1より[110]方向の長さLは格子定数aで表すと三平方の定理より式(4)となります。また、[110]方向には原子がすき間なく3個並んでいます。3個の原子のうち両脇の原子は半分のみ(100)面に含まれます。そのためLを原子半径で表すと式(5)のようになります。式(4)、(5)より格子定数と原子半径の間には式(6)、(7)が成り立ちます。

 

L=√2a    (4)

L=4r     (5)

√2a=4r    (6)

a=4r/√2    (7)

 

 式(1)~(3)を合わせると充填率Sに対して式(8)の関係式が成り立ちます。式(8)に式(7)を代入すると式(9)となり、計算すると式(10)、(11)になります。√2π/6を近似計算すると約0.74(74%)となります。これが面心立方格子の充填率です。また面心立方格子は最密充填構造です。最密充填構造の充填率は74%である、と表現することが出来ます。

 

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