多重度因子
回折が例えば(100)で起こる時、同じ面間隔を持つ(010)、(001)などの面も同様に回折を起こします。この時、(100)、(010)、(001)は異なるミラー指数ですが、同じ回折を起こすため、回折強度はこれら3つの等価な面から起こる回折強度の合計となります。このように回折を起こすミラー指数のうち、等価な面のミラー指数の数を多重度因子として表します。例えば、立方晶の{100}の多重度因子は(100)、(010)、(001)、(-100)、(0-10)、(00-1)の6個です。また{111}の場合(111)、(-111)、(1-11)、(11-1)、(-1-11)、(-11-1)、(1-1-1)、(-1-1-1)の8個となり、{100}よりも回折を起こす面が多くなります。立方晶の多重度因子を表1に示します。面指数が複雑になるほど(等価な面が多いほど)多重度因子は多くなる傾向があります。
表1 立方晶の多重度因子 | ||
回折面 | 回折面の例 | |
(h00) | (100)、(200)など | 6 |
(hhh) | (111)、(222)など | 8 |
(hh0) | (110)、(220)など | 12 |
(hk0) | (120)、(130)など | 24 |
(hhk) | (112)、(221)など | 24 |
(hkl) | (123)、(124)など | 48 |
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