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エピソード-160

責任範囲と行動範囲

 多くの人が自分の手の届く範囲内の責任で行動します。自分の手に負えないことは、失敗した時のリスクが大きすぎるのであまり手を出したくありません。責任範囲とは自分が適切に処理できる範囲でもあります。会社の新人とベテランでは当然責任範囲が変わります。役職や経験が大きくなるほど責任範囲は広くなります。そして最も責任範囲が広いのは社長です。社長は会社で起こるすべての出来事に責任を取ります。「すべての出来事に責任を取る」というと、大きな負債を背負い込むように思われるかもしれませんが、実はすべての出来事に責任を取ることで一番自由度があります。

 責任範囲の大きさは行動範囲でもあります。新人の場合、こなす仕事の質も量も小さいものになります。責任範囲が大きくなるにつれて行動範囲も広がっていきます。行動範囲が広いということは自分の裁量や権限で仕事ができることです。もちろん失敗した時は全責任を背負います。しかし初めから全責任を負うことを承知していると、潔くなれます。誰のせいにもできない、他に責任を取る人もいません。中途半端に責任を持つと、責任のなすりつけ合いが起きやすくなります。しっかり責任を取る人が1人必要なのです。