電子顕微鏡
光学顕微鏡がフィラメントを光源として、表面の凹凸を像としたのに対して、電子顕微鏡は光源に電子線を使用して、表面から放出する2次電子などの信号を像にした顕微鏡です。電子顕微鏡には様々な種類があり、その一つがSEM(Scanning Electron Microscope:走査電子顕微鏡)です。SEMには分析器や検出器が設置されることが多いです。EDS、EPMA、EBSDなどです。他にも電子顕微鏡にはTEM(Transmission Electron Microscope:透過電子顕微鏡)などもあります。
光学顕微鏡とSEMの模式図を比較して図1に示します。光学顕微鏡は接眼レンズと対物レンズによって観察物を大きく観察します。それに対してSEMでは電子線をコンデンサレンズ、絞り、対物レンズなどによって電子線を細く絞り、それを走査して画像を表示します。SEMは光学顕微鏡に比べて分解能が短く数十nmまで観察できます。そして焦点深度も光学顕微鏡より深いです。そのため、SEMは数万~数十万倍の高倍率の観察や疲労破面などの凹凸の大きい試料の観察が可能です。SEMは電子線を細く絞るほど高分解能となり、走査速度を遅くすることで鮮明な画像が得られます。SEMは電子線を使うために真空で試料を観察します。試料室の真空度は10-3~10-4Pa程度です。
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