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金属材料基礎講座-77

脱成分腐食

 脱成分腐食は合金の特定の成分や特定の相だけが優先的に腐食されることです。選択腐食と呼ばれることもあります。これはあらゆる合金に起こる腐食というより、特定の材料、合金に見られる腐食です。代表的な脱成分腐食は黄銅の亜鉛成分だけが腐食する脱亜鉛腐食です。黄銅の種類として主に亜鉛含有量30%(七三黄銅)と40%(六四黄銅)があります。六四黄銅はα相とβ相の2相組織となるが、亜鉛量の多いβ相が腐食されていきます。脱亜鉛腐食の様子を図1に示します。脱亜鉛腐食は全面的に腐食が進行する時もあれば、局部的に起こる時もあります。脱亜鉛腐食が発生すると、見た目の状態はあまり変わらなくても、材料内部の亜鉛のみが腐食されて銅が残るので多孔質のようになります。そのため、強度などは低下し、割れや破損が起きやすくなります。脱成分腐食は黄銅以外にも鋳鉄の鉄部分が腐食する黒鉛化腐食やアルミニウム青銅のアルミニウム部分が腐食する脱アルミニウム腐食などがあります。

 

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