全面腐食
全面腐食は長期的にとらえると金属表面が全体的に腐食されていきます。一般的な鉄鋼材料の多くは全面腐食を起こします。その様子を図1に示します。全面腐食は建物、橋梁などで観察されます。通常の大気環境では腐食速度はゆっくり進みます。そのため、板厚減少量や重量変化を予測しやすいです。全面腐食は板厚の補修などが計画的に行われます。腐食速度として「mg/cm2・day」、または浸食速度として「mm/year」という単位で表現します。静止した淡水環境における鉄鋼材料の平均的な腐食速度は0.1mm/year程度です。
腐食反応が起こる時には表面全体が一気に腐食されるのではなく、不純物が多い場所などが優先的に腐食されていきます。優先的に腐食される場所を局部アノードと呼び、その対極となる場所を局部カソードと呼びます。全面腐食の場合、この局部アノードと局部カソードが時間の経過とともに場所を変えます。その様子を図2に示します。その結果、長い期間で見ると表面全体が腐食される全面腐食となります。
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