標準電極電位
ギブスの自由エネルギー⊿Gと標準電位E0の間には(1)式が成りたちます。これをE0について表すと(2)式になります。ここで金属のアノード反応と水素のカソード反応の電池と熱力学データによって金属の標準電位を求めることができます。この時の反応は式(3)~(5)のように表します。この(3)式は電池反応の表現になります。(4)、(5)式がそれぞれの電極の反応になります。標準状態では水素イオンの活量aH+=1、水素ガス分圧pH2=1、電位0Vのため、鉄の熱力学データ⊿Gと(2)式から標準電極電位を求めることができます。このようにして他の金属の標準電極電位を求めることができます。それを一覧表にまとめたのが表1になります。
標準電極電位はあくまで熱力学データの計算によって導き出された値です。電位の卑な金属は腐食されやすく、貴な金属は腐食されにくいですが、実際の腐食環境では温度、溶存酸素、塩化物イオン、pH、流速などによって腐食挙動は変化します。
表1 標準電極電位
金属 | 電位 | 金属 | 電位 |
Au | +1.520 | Fe | -0.440 |
Pt | +1.188 | Zn | -0.763 |
Ag | +0.799 | Al | -1.676 |
Hg | +0.796 | Mg | -2.356 |
Cu | +0.340 | Na | -2.714 |
H2 | ±0 | Ca | -2.840 |
Pb | -0.126 | K | -2.925 |
Sn | -0.138 | Li | -3.045 |
Ni | -0.257 |
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