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金属材料基礎講座-37

真応力 真ひずみ

アルミニウム合金などを引張試験した時の応力-ひずみ線図を図1に示します。鉄鋼材料のように明確な降伏応力が見られなくなります。こういう時は最終的な伸びの値の0.2%のひずみの時の応力を0.2%耐力(単に耐力)と呼びます。そして塑性変形が始まる応力として、降伏応力と同じような扱いをします。

 

 引張試験における応力やひずみはそれぞれ試験前の断面積と評点間距離を元に(1)、(2)式で現します。

 

応力  

  

  σ=P/A0     (1)

 

ひずみ 

 

 ε=(l-l0)/l0    (2)

 

P:荷重

A0:断面積

l:試験後の長さ

l0:元の長さ

 

 

 厳密には断面積や評点間距離は試験中に刻々と変化するため、これら応力やひずみを公称応力、公称ひずみと呼びます。それに対して、試験中に変化する断面積や評点間距離を考慮した応力、ひずみをそれぞれ真応力σt、真ひずみεtと呼び次式で現します。これを(3)、(4)式で表します。

 

真応力

 

 σt=P/A=σ(1+ε)   (4)

 

真ひずみ

 

 εt=lnl/l0=ln(1+ε)  (5)

 

 真応力、真ひずみは材料の強度を厳密に扱う場合に用いられますが、単に応力、ひずみという時は、公称応力、公称ひずみを扱います。

 

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